どうして歯の治療は長くかかるのか?
いつもご覧いただきありがとうございます。
「ムシ歯の治療は時間がかかるし、日数もかかるもんね〜」
という患者さんの心の声をよく聞きます。今回は、ここにメスを入れたいと思います。
実は、ムシ歯の進行具合で違ってくるのです。
初期のムシ歯では、かかっても2〜3回程度の治療で済みます。1回で終わる場合も多いです。
ムシ歯が進行して歯の内部まで感染してしまうと、がぜん多くの治療期間が必要となります。
それは、炎症に関係する細菌の数(量)と、炎症が起こっている場所に関係します。細菌は時間とともに増殖しますし、ムシ歯が進行して炎症が起こっている場所は必ずしも、歯の表面の扱いやすい部分とは限りません。根っこの先の顎の骨の中の炎症となれば簡単にどうにかなるものではありません。
感染している部分をできるだけ取り除き、取り除けない部分は消毒、洗浄を重ねることで、細菌の活動を抑えていくことになります。
図に示してあるのはどちらも大きくムシ歯になってからの治療です。
どちらの治療が長くかかるでしょうか?
左は歯の中の冷たいとか熱いとかを主に感知する神経(歯髄)まで感染が起こっていますが根っこの先には炎症はなさそうですので、いわゆる神経をとる処置となります。
右はすでに先ほどいうところの神経をとる処置がすでにされているところからのさらなる炎症で、根っこの先から骨まで炎症が進んでいます。こうなると数ヶ月の単位で治療期間を考える必要があります。
このように、歯がどのような状態かによっても治療の回数は変わってきます。
治療は、あまり間を空けずに洗浄、消毒を繰り返すことが大切です。
中断すると細菌の繁殖した状態に戻ってしまうだけでなく、象牙質に細菌が染み込んでしまい、さらに時間がかかってしまいます。
もちろん痛む歯をさすりながら、歯医者に行きたくない一心で我慢に我慢を重ねた挙句に治療期間がかかるということでしょうから、気持ちはお察しいたします。
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