ランパ治療の流れについて
いつもご覧いただきありがとうございます。
本日はランパ治療の流れをご紹介いたします。
通常治療に入る前に問診および口腔内の簡単な診査をし、保護者の方に治療方法などご説明いたします。
その上で、治療を希望される前提での診査項目は下記の4つです。
【治療開始時の診査】
口腔内写真撮影
パノラマ(正貌)
セファロ(側貌)
口腔模型の採得
ここまでが治療開始時の診査です。首の骨と頭蓋骨のプロポーションや歪みを評価し装着する装置の選択を行います。
ランパの口腔内装置は特殊かつ複雑な構造ですので、上あごの平らな部分に最低限のスペースがないと装着できません。症例によってはまず若干の拡大を行ってからランパの装着を行うこともあります。
【ランパ装着】
【顎外固定装置の調整】
ランパ治療の基本的な考え方は、中顔面のダウングロースをなんとか阻止し、むしろ水平方向の成長へ変換するということです。この部分がランパ治療の中心となります。
1日12時間以上上顎外固定装置で90日を1タームとして。それを2〜3ターム繰り返します。
口腔内装置は歯牙にセメンティングするため、タームとタームの間では腫脹した歯肉を回復させる期間でもあります。取り外しのできる装置にて成長をサポートします。
【上顎ステージ2】
上あごのポジションが良くなったら下顎の拡大が終わるまで取り外しのできる装置を入れて前歯の間のスペースを閉じながら経過を観察します。
【下顎ステージ1】
その期間は下あごにはどんなアプローチをするかというと、バイオブロックのステージ1と呼ばれるDr.Mewが考えぬいた末に出来上がった、シンプルかつ効果的な拡大床装置をいれ、下あごのひずみをとりながら成長をサポートします。
小学生のうちに顎外固定固定装置を利用した治療を終え、取り外しのできる床装置を用いて歯列を整えていきます。
上あごが頭蓋骨の中でいいポジションをとり、首の骨を含めていいプロポーションになってきたら顎外固定装置を使った装置を卒業し、バイオブロック治療の流れに入ります。
【バイオブロック ステージ3】
上あごと下あごの前後的な位置関係を整える時期です。歯列をある程度整えながら第2大臼歯のいい位置での咬合が見込めるまでこの装置で経過を観察していきます。
以上が大まかな治療の流れとなります。
上顎がいいポジションになり、首の骨を含めたプロポーションがよくなっていれば、いわゆる矯正で言うところの歯牙の後戻りはほとんどないと言えます。
治療に必要な期間はおおむね第2大臼歯が生えるまでで、けっこうな長丁場となります。本人の頑張りだけでなく、ご家族の励ましなど、有形、無形の努力が必要です。
頑張った分だけの見返りは必ずあると考えていただきたいですし、そのつもりで治療をしています。気道は拡大し、体のバランスも取れ、結果的に歯並びもよくなり、ムシ歯や歯周病なども予防できるということになります。
もちろん当院は、予防歯科を診療の柱としておりますので、矯正期間中のむし歯チェックは欠かしません。
装置を入れることによる清掃のむつかしさに十分な注意をしながら管理していきます。
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