日本では、80歳以上の歯の平均残存本数は約8本、これは先進諸国が15本〜20本なのに比べるとかなり低い数字と思われます。
原因は、これまでの日本を支えていただたいた年齢層の方々が正しくご自身の歯と向き合ってこられなかったことにあります。
予防とは
皆さんは、予防と聞くとどういうことを思われるでしょうか?
例えば、治療といっても元どおりにならないわけではないことや、お手入れ次第で長持ちするというようなことでしょうか?
予防という言葉の意味を調べてみると、悪い事態の起こらないように前もってふせぐこととあります。
当院では、予防に力を入れております。予防に来られる方のほとんどは高齢者で、「もっと早く知っていればよかった!」と話されることをよく聞きます。
日本の歯科治療は、虫歯になってから歯科医院に行くような、結果に対しての治療が中心です。しかしムシ歯治療で行う歯を削る行為は、必要とはいえそれ自体が歯の寿命を短くするかもしれない危険性と隣り合わせであることを心に留めておくことです。
ムシ歯にならないような環境を作ることが、将来的に歯の寿命を伸ばすことにつながります。
当院は、定期的に通院していただき、健診及びクリーニングをすることで、早期発見し対応することで、予防につながると考えております。歯を失うほとんどが、ムシ歯か歯周病だからです。
当院の予防の考え方は、お口の中を管理しながら予防していく予防管理型をお勧めしております。
早期発見、適時治療
初期のむし歯は、お手入れ次第で改善される可能性があること、もし治療するとなった場合には、健全歯質も少なからず削る必要があることから、必ずしも昔から言うような、早期治療が正しいとは考えておりません。
定期健診では、現状を詳しく把握することを心がけております。
特にむし歯に関しては、視診、触診、レントゲン像、むし歯探知機(ダイアグノデント®️kavo社)にて多角的に審査を行い、どのタイミングで治療介入すべきか検討します。
ご自宅でのセルフケアが苦手な方は、早期治療が良いと思います。
患者さんのお口の健康を末永くサポートしていきたい
開業当初より12年、一貫して保険診療を基本とした予防管理をおすすめしております。
初診から、治療計画に基づいた診療が一通り終了したのち、定期健康診断という形式で、毎月あるいは3ヶ月に1回のペースで周期的に来院いただき口腔内の健康を大切に守っていかれるようにご説明しております。
現在こうして予防にこられている患者さんは全体で450名、每月180名近くの患者さんが予防を目的に来院されています。
転ばぬ先のつえ
痛くなったら治療すると言う考え方では80歳で20本の自分の歯を残す事は難しいと思われます。
虫歯の治療は削って詰めるを基本としますが治療されたは決して元通りになる事はなくなんとか日常生活が送れるよう修復されているにすぎません。治療される前の健康な状態が1番強くて長持ちする状態なのです。
出来る限りご自分の歯を残すためには、虫歯や歯周病にならないよう予防する予防歯科を受けることが重要です。
病気になったら治療するのではなく、病気にならないよう予防したいという気持ちになれると素晴らしいですね。