当院おすすめの顎口腔育成について
いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は、当院がおすすめしているランパという特殊な矯正方法についてご説明します。
よく雑誌やネットで目にしたり耳にしたりするいわゆる不正咬合というのは、ほぼ歯並びやかみ合わせだけを見ています。
そもそも不正咬合はなぜ起こるのでしょうか。そして最近増えている子供の睡眠時無呼吸はなぜ起こるのでしょう。
歯の問題を超えたところに改善策があり、その考えでしか対応できない症例が徐々に増えつつあることを感じます。
顎口腔育成研究会では、頭と首とあごの骨格のバランスを考えています。
あごというとカクカクやってみるのは下あごで、あまり上のあごのことを考えないと思います。
もっとも、歯科の世界でも従来の歯列矯正治療では、上のあごの位置は基本的に変えない前提ですので無理もありません。
繰り返しますが、歯の位置を変えるのではなく、その歯が生えている土台である上のあごを頭の骨の中でいいバランスの位置に近づけるのです。
とはいえ、自由にどこにでも動くわけではありませんし、装置をしっかりと装着していただかなければなりません。装着時間は長ければ長いほど効果が早く現れます。
治療といえども介入すること自体の悪影響によるダウングロースはすべての歯列矯正には必ず発生しますが、それを極力抑えたり、成長期に骨のひずみを解放したり、といった考え方は、歯を動かすことに興味がある人にはとても重要となります。ゆえに、治療中のマルチブラケットの使用などは極力行いません。
頭の骨とあごのバランスを改善すると結果的には、歯並びの改善はもちろん、首の骨の彎曲が良くなり、気道を拡張することがわかってきました。
歯並びに関しては審美的に高度な対称性を希望されるような方には、さらにワイヤー矯正をプラスされることとなります。しかし審美性を追求することで、治療介入による避けられないダウングロースを生むことになりかねませんので、当院では自然頭位における、上あごと下あごのバランスを可能な範囲で、できる限り良い位置でとることをゴールとしています。
ランパシステムによる歯並びの改善については予防歯科的にも機能的にも全く問題ないレベルです。
装置入れる前の状態です。
下の前歯(側切歯)ですが、左右とも内側から萌出してきました。
装置を入れて3ヶ月後です。
装置は上あごにのみ作用させたのですが、
上あごの位置および幅が改善されてきたために、下の歯が随分前に並んできています。
フェイシャルオーソトロピクス
のホームページから拝借。
有名な図です。上あご含め中顔面のダウングロースが、首の彎曲や下あごの位置および大きさを左右するの図。
顎口腔育成研究会での見解は、不正咬合の
原因が中顔面のダウングロースにあると考えています。
中顔面とは、上顎のあるところ、つまり目の下あたりから上の唇あたりまでをいい、ダウングロースとは、下方への(バランスの悪い)成長といってよいと思います。
Aについて
正しい顔面成長を示す図
Bについて
中顔面がダウングロースすると下あごが後ろに閉じ込められる。
Cについて
そのままだと苦しくなるので、頭を上に回転させることで気道を確保するも上を向くことになる。前が見えにくいので首を前に伸ばすことで視界が前に向くが、首は前傾し、顎が引っ張られるためますます下あごがひらいた形でバランスをとり始める。
不正咬合の原因が中顔面を構成する骨にあると仮定した以上、歯よりも骨に働きかける装置で治療することになります。
上あごに前で上に移動する力をかけ続け、中顔面がダウングロースする力を
前方へ成長する力に変えていきます。
過蓋咬合でガミースマイル(笑った時に歯茎が見える状態のこと)は治療が比較的むつかしいとされる症例です。
左が治療前、右が1回目のランパ治療後です。
口の中だけで評価できませんよね。左が治療前、右が1回目のランパ治療後です。
左のお友だちの前歯の位置と比較すると、ガミースマイルが改善されています。
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